略歴
1988年 北海道大学文学部行動科学科卒業
1989年 名古屋大学大学院工学研究科情報工学専攻博士課程入学
1994年 名古屋大学大学院工学研究科情報工学専攻博士課程修了
       (工学博士)
1994年 電気通信大学電気通信学部情報工学科助手
2007年 同 助教


研究興味

 広い意味での人間の思考過程、学習過程に興味を持っています。特に、論理的思考と直観的思考の両方が必要な問題解決において、どのように人間がその問題を捉え、解決しているのかを明らかにしたいと思っています。
 「将棋」のような複雑な思考ゲームは、そういう意味で非常に良い研究テーマです。将棋のエキスパートは、必ずしも論理的思考だけではなく、”大局観”と呼ばれる直観的思考を用いた思考を行っていることがわかっています。この直観的思考のメカニズムを明らかにしていくことは、現在の人工知能に欠けている様々な知見を与えるものと考えています。

 エキスパート研究を続けていると、人間の学習過程にも興味が広がります。エキスパート特有の卓越した認知能力を獲得する学習過程の研究にも興味を持っています。具体的には、将棋の学習過程をモニターし、どのように知識や技術を獲得していくのかを長期的な実験で明らかにしようとしています。また、その学習を助けるためには、どのような教示や支援が考えられるかといった観点から、学習支援システムの研究も行っています。

最近の研究テーマ一覧

★思考ゲームにおける人間の思考過程の研究
 −HIT(Human Intuitive Thougt)将棋システムの開発
 −利己的先読み(Selfish Search)メカニズムの解明
 −「棋は対話なり」暗黙のコミュニケーションの研究
 −「三人寄れば文殊の智恵」合議システムの研究
★新しい入力装置の研究
 −視線を入力装置とした新しいエンターテイメント
★モンテカルロ法を用いた思考ゲームへの応用
 −モンテカルロ法と知識主導型システムを結ぶ技術
★知識を直観的に記述できるシステム(KIDS)の開発
 −5五将棋を題材にしたKIDSの開発
 −囲碁を題材にしたKIDSの開発
★思考ゲームの可視化技術
 −思考ゲームを面白く見せる可視化技術の研究

(学会活動など)
・情報処理学会、電子情報通信学会、日本認知科学会、人工知能学会、各会員。
・ゲーム・プログラミングワークショッププログラム委員長(2002〜2007)
・ゲーム情報学研究会、運営委員(2000〜)幹事(2003〜2006)運営委員(2006〜)
・コンピュータ将棋協会理事
・コンピュータ囲碁フォーラム理事
・エンターテイメントと認知科学研究ステーション代表(2006〜)
 伊藤 毅志のプロフィール