研究ステーション特別企画
 「将棋と科学」開催のご案内

日程:2009年11月7日(土)
場所:電気通信大学 西9号館3階AVホール 
(←キャンパスマップ40番の建物になります)
主催:電気通信大学 エンターテイメントと認知科学研究ステーション
(午後の部:社団法人情報処理学会 共催、リアルコンピューティング 協力)

午後の部:ネット中継はこちらです。

※当日、一般の方の聴講・観戦自由です。
※なお、プレス等の取材のお申し込みは、こちらまでお願い致します。




 10:00−10:10 「オープニング」
                伊藤毅志(電気通信大学)

【午前の部:第7回招待講演会】

 10:10−12:10 「将棋と脳」

 ・将棋の駒組認識および駒組記憶に関わる脳波活動の特性
              中谷裕教氏(理化学研究所、研究員)
 <概要>
  我々の視覚体験は脳のどのような働きによって作り出されているのだろうか?
 例えば目の前にある物を見ると、本・コップ・パソコンなどと意味や概念として理解
 する。つまり視覚像は外界の風景をそのまま写し取った写真とは異なり、知識や
 経験に基づいて視覚入力を能動的に意味・概念化したものである。故に、認知
 情報処理に関わる脳活動は観察者の知識や経験を反映したものであると考えら
 れる。そこで知識や経験が認知情報処理に与える影響を調べるために本研究
 では日本の伝統文化である将棋を用いて実験を行い、将棋の熟練度と認知機能
 (知覚や作業記憶)に関連した脳波活動の特性との関係を検討した。

 ・将棋プロ棋士の直観思考に関わる脳活動
              万 小紅氏(理化学研究所、研究員)
 <概要>
  プロ棋士はアマチュアに比べ、将棋の多くの面で優れている。例えばある局面
 での最善手を探すとき、プロ棋士はまず局面を瞬間的に、しかも正確に理解する。
 そうすることで、良い手の候補が頭に浮かんでくる。最後にこれらの数個の候補手
 を比較し、最善手と思われるものを読みで確認する。これらの過程においてアマ
 チュアと比較した場合のプロ棋士の特徴が明らかにある。一つは局面の理解の
 速さである。もう一つは良い手の候補が直観的に頭に浮かんでくることである。
  我々は、これらの能力に関わる脳基盤を解明することを目指し、プロ棋士とアマ
 チュアを対象として機能的磁気共鳴画像法(fMRI)を用いて脳活動の測定を行なっ
 た。結果、将棋の局面の素早い認識および次の一手の直観的な案出に関するプロ
 棋士の脳の活動部位を同定した。



【午後の部:コンピュータ将棋の最前線】 ※事情により、開始時間が13:30〜になりました。

 13:30− 「コンピュータ将棋の最前線」
         
〜コンピュータ将棋はアマチュアトップを超えたか?〜

                  情報処理学会共催企画

 13:30−14:00 GPS将棋、文殊 技術的解説

  13:30−13:45 「GPS将棋」技術解説 
                 金子知適(東京大学:GPS将棋開発)
  13:45−14:00 「文殊」技術解説
                 伊藤毅志(電気通信大学:合議研究者)

 14:00−18:00 「コンピュータ将棋 VS トップアマ 公開対局」

    ネット中継のページはこちらです。

   ゲスト解説:勝又清和六段(日本将棋連盟)

  第1局 谷崎生磨氏(2008年度学生名人戦準優勝、学生王将戦3位、2009年度学生名人戦3位) 
            VS
      『文殊 with Bonanza』 (第19回世界コンピュータ将棋選手権第3位)
            (リアルコンピューティング 協力)

  第2局 稲葉聡氏(2004年、2007年度学生名人、2006年、2007年学生王将優勝、
                        2008年オール学生優勝、2008年アマ名人戦準優勝)

            VS
      『GPS将棋』 (第19回世界コンピュータ将棋選手権優勝)




                      ★本イベントに関するお問い合わせ先
                           電気通信大学
                           エンターテイメントと認知科学研究ステーション
                           代表  伊藤毅志
                           メールはこちら